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2025.12.31
5時から7時までのクレオ
「みんなが私を甘やかし、
誰も私を愛さない。誰も……」
ガンの診断結果を待つ若い女性歌手クレオの、
5時から7時までを
リアルタイムで追うように描かれた作品。
漂流する不安のまま街を行くクレオは、
友人や恋人、街の人との交流を通して、
自身の内側に渦巻く感情を
どうにか処理しようとする。
映画前半では「歌手のお嬢様クレオ」という
“見られる側”として、
後半では「等身大の女性フロランス」として
街の人々を“見ている側”として描かれるのだが、
その対比を、演技や衣装だけでなく、
クレオの撮り方や街ゆく人々への
カメラの向け方でも表現しているのが面白い。
ヌーヴェルヴァーグの祖母と評される
アニエス・ヴァルダによる、
1962年のリバイバル上映作品。
規範的な感覚はやはり今とは異なるけれど、
それでも古臭さを感じさせないのは、
抽象的でふわふわしていながらも、
当時の社会問題やフェミニズムについても
丁寧に掬い取る緻密さがあるからだろう。
ちなみに、劇中で街を行き交う人々は
本当にそこに居た人たちらしい。
今はもう出会えない
この時代のフランスの街並みの美しさと、
その切り取り方も本作の魅力だ。
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